「淡い葉=エネルギーが少ない」って本当?」
ポイントまとめ
- 白茶にもカフェインが含まれ、1杯あたり最大75mg含まれることもあります。
- 新芽は成葉よりもカフェインが多いです。
- 熟成白茶は年月とともにカフェインが自然に減少します。
- 高温・長時間の抽出でカフェインの抽出量が増えます。
- 葉が多い白茶や低温抽出はカフェイン摂取量を抑えます。
- L-テアニンがカフェインの作用を調和し、穏やかなエネルギーをもたらします。
- カフェイン量は茶葉の種類によるものであり、味とは関係ありません。
- お好みでカフェイン量を調整できます。
はじめに:白茶カフェインのパラドックス
白茶にも確かにカフェインが含まれています。これは紛れもない事実です。
本物の茶はすべて カメリア・シネンシス という植物から作られ、自然にカフェインを含みます。白茶についての混乱は、広く信じられている「白茶=低カフェイン」という誤解から生まれています。
淡い味わいや色合いとは裏腹に、白茶は 必ずしもカフェインが最も少ないお茶とは限りません。この点を多くの方が誤解しています。
実際、一部の白茶は緑茶や紅茶よりもカフェイン量が多いこともあります。「低カフェイン」と一括りにできないのが白茶の面白いところです。
本ガイドでは、白茶のカフェインの真実に迫ります。実際の含有量、影響する要素、熟成による変化、そしてご自身で調整できる方法をご紹介します。
さっそく数値を見て、他の飲み物と比較してみましょう。
数字で解説:白茶のカフェイン含有量と他飲料の比較
白茶のカフェイン量を調べると、非常に幅広い数値が出てきます。1杯(8oz=250ml)あたり 6〜75mg といわれています。
このバラツキが混乱の元。デカフェコーヒーより少ない場合もあれば、エスプレッソ並みに多い場合もあり、ひと言では説明できません。
分かりやすく比較できるよう、代表的な飲み物のカフェイン量を表にまとめました。
| 飲料(8oz / 250ml) | カフェイン目安(mg) |
|---|---|
| 白茶 | 6 - 75 mg |
| 緑茶 | 20 - 45 mg |
| 紅茶 | 40 - 70 mg |
| 烏龍茶 | 30 - 60 mg |
| ドリップコーヒー | 95 - 200 mg |
| ハーブティー(例:カモミール) | 0 mg |
この数値はあくまで目安であり、 カフェイン量は茶葉や抽出方法によって大きく変わります 。次の章でその理由を詳しく解説します。
誤解されるカフェイン神話:繊細な味=カフェイン少なめは間違い
白茶の味が淡く甘いからカフェインも少ないと思われがちですが、これは正しくありません。
その理由は、お茶の木の成長過程にあります。
白茶の名は、開いていない新芽にある細かい白い産毛からきています。この新芽は植物の中で最も繊細な部分です。もしこの産毛が気になった方は、こちらで詳しく解説しています。
お茶の木は害虫から身を守るため、新芽にカフェインを多く蓄えます。カフェインの苦味は虫を遠ざける効果があるのです。
この植物の性質が、そのまま私たちの一杯に影響します。

銀針(白毫銀針)のように新芽のみを使った白茶は、カフェイン含有量が非常に高くなります。最もカフェインが多い部位だけを使っているからです。
逆に、寿眉(ショウメイ)のような成葉を多く使うタイプは、自然とカフェイン量が少なくなります。成葉は新芽ほど害虫に狙われにくいので、カフェインが少ないのです。
そのため、 福鼎白茶の種類 を知って選ぶことが、ご自身の希望するカフェイン量に近づく近道になります。
つまり、 味の繊細さとカフェイン量は関係ありません。
白茶のカフェイン量を左右する4つの要素
主な誤解が解けたところで、実際にカフェイン量に影響する4つのポイントを解説します。これを知れば、白茶の楽しみ方が広がります。
1. 茶葉の品種・摘採時期(新芽vs成葉)

これが茶葉本来のカフェイン「潜在力」を決める最重要ポイントです。先ほど述べたとおり、新芽と成葉の割合でカフェイン量が大きく変わります。
銀針のような新芽中心の白茶はカフェインが多い傾向に。寿眉や遅摘みの白牡丹(白牡丹)はカフェインが控えめです。他の要素は、この「茶葉の基礎力」からスタートします。
2. お湯の温度・抽出時間(あなたがコントロールできる部分)
ここが最も簡単に調整できる部分です。多くの抽出テストから、カフェインは水に溶けやすい性質があり、温度と時間で抽出量が変化します。
高温・長時間ほどカフェインが多く抽出されます。
例:銀針を80℃(175°F)で2分抽出した場合と、93℃(200°F)で5分抽出した場合とでは、後者の方がカフェインはぐっと多くなります。前者は穏やか、後者はしっかりした刺激に。
このコツは簡単に習得できます。詳しくは 白茶の淹れ方ガイドをご覧ください。
3. 茶葉の熟成(変化の妙)
これは白茶ならではの興味深いポイントです。他の要素が抽出に関わるのに対し、熟成は 茶葉そのものの成分を変化させます。
年月とともにカフェイン含有量は自然に減少。これこそが熟成白茶の価値の一つです。次の章で詳しくご紹介します。
4. 茶葉とお湯の比率
シンプルに、茶葉の量が多いほどカフェインも多くなります。
西洋式では8ozマグに2-3g、伝統的な工夫茶では小さな急須に5-7gといった具合。工夫茶は抽出時間が短いですが、使用する茶葉が多いため、1杯ごとのカフェイン量は高くなることも。
熟成白茶とカフェイン:さらに深く
「熟成白茶は本当にカフェインが少ないの?」というご質問をよくいただきますが、答えは「はい」です。
白茶は熟成する過程でゆっくり酸化が進み、茶葉の成分(カフェインも含め)が時間とともに分解・変化していきます。
カフェインがポリフェノールなど大きな分子と結合すると、抽出時に水に溶け出す量が減り、体内への吸収も減ります。
これは古くからの知恵だけでなく、科学的な研究でも証明されています。ScienceDirectに掲載された論文では熟成中の化学変化を分析、また福建農林大学の研究では、白茶のカフェインが20年で4.28%から2.5%へと約40%減少したと報告されています。
この変化はカフェインだけでなく、茶の風味や香りにも表れます。若い白茶の青々しい香りや渋みが、熟成とともにまろやかになり、ドライフルーツや蜂蜜、木、薬草のような深みのある味わいに。
風味・香り・飲み心地の変化――これこそが熟成白茶の醍醐味です。詳しくは 白茶熟成ガイドもご覧ください。
あなた好みの一杯に:白茶カフェイン調整の実践ガイド
ここまでを踏まえて、白茶のカフェイン量を調整する具体的な方法をご紹介します。
カフェインを控えめに したい場合:
- 葉が多い白茶を選ぶ: 寿眉や遅摘みの白牡丹がオススメ。成葉中心なので新芽系よりカフェインが少なめです。
- 低温抽出: 抽出温度は 80-85℃(175-185°F)に。やさしく風味を引き出し、カフェイン抽出も抑えます。
- 短時間抽出: 1-2分の短い抽出でOK。何度か淹れ直しながら、1杯ごとのカフェインを抑えられます。
- 熟成白茶を選ぶ: 本当にカフェインを控えたい方に最適。3-5年以上熟成された白茶がオススメです。
カフェインをしっかり取りたい (朝の目覚めに):
- 新芽中心の白茶を選ぶ: 高品質で新鮮な銀針(白毫銀針)が最もカフェイン豊富です。
- 高温で淹れる: お湯は 90-96℃(195-205°F) が目安。成分をしっかり抽出できます。
- 抽出時間を長く: 3-5分 じっくり淹れることでカフェインを最大限に引き出せます。
最後のピース:白茶におけるカフェインとL-テアニン
カフェイン量だけでなく、 カフェインの質 も大切です。白茶の「エネルギー感」はコーヒーとは大きく異なります。
白茶をはじめ本物の茶には、L-テアニンという特別なアミノ酸が含まれています。
L-テアニンは心を落ち着かせるリラックス効果で知られています。カフェインと絶妙に調和し、コーヒーのような急激な覚醒やイライラ感を和らげ、落ち着いた集中力をもたらします。
そのため、白茶はカフェインによる元気と、穏やかさ・リラックスを両立できるのです。この絶妙なバランスこそ、福鼎白茶 が味だけでなく「体験」として愛される理由です。
まとめ:自分だけの一杯を楽しもう
白茶のカフェインの世界は単純な「多い・少ない」では語りきれませんが、その奥深さこそが魅力です。
ポイントをおさらいしましょう:
- 白茶には必ずカフェインが含まれますが、その量は6mg~75mgと非常に幅広いです。
- 「味が淡い=カフェインが少ない」は誤り。カフェイン量は新芽・成葉の割合で決まります。
- 熟成は、自然にカフェインを減らしながら白茶を楽しむユニークな方法です。
- そして何より、茶葉の選び方と淹れ方でお好みの体験を自分で作ることができます。
ぜひこの知識を活かして、自分だけの白茶体験を楽しんでみてください。種類や抽出法を色々試し、味・体調・その日の気分に合わせて選んでみましょう。白茶の世界があなたを待っています。
よくあるご質問
白茶のカフェイン量は他の飲み物と比べてどのくらいですか?
白茶は1杯(8oz)あたり6~75mg、紅茶は40~70mg、緑茶は20~45mg、コーヒーは95~200mgです。白茶でカフェイン量が多いもの・少ないものがあるのはなぜ?
銀針など新芽が多い白茶は、害虫除けのためカフェインが多く含まれます。寿眉など葉が多い白茶はカフェインが控えめです。熟成白茶は新茶よりカフェインが少ないですか?
はい。研究では、20年熟成でカフェインが最大40%減少することが確認されています。白茶のカフェインを減らすには?
寿眉など葉が多い種類を選び、80-85℃の低温・1-2分の短時間で抽出するか、熟成白茶を選ぶのがおすすめです。白茶の「エネルギー感」はコーヒーと何が違う?
白茶に含まれるL-テアニンがカフェインと協調し、コーヒーのような「イライラ感」なしに穏やかで集中したエネルギーをもたらします。
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